【過去の分布】
更新世まではユーラシア大陸に広く分布していましたが、更新世後期(紀元前12000-18000年前)にはヨーロッパに棲息していた個体群が絶滅しました(例えばRipoll et al. 2010)。その後は、広くアジアにおいて、インド、スマトラ島やジャワ島を含む東南アジア一帯、中国、ロシア、朝鮮半島などに棲息していました。
【絶滅危惧種に指定】
現在の野生成獣個体数が全世界で2500頭以下と推定され、近い将来の絶滅が危惧される動物です。現在のIUCNレッドリストでは絶滅危惧IB(Endangered)に(Durbin et al. 2008)、ワシントン条約では附属書IIに指定されています。
【個体数減少の原因】
Durbin et al. (2008) は、その主な原因として以下の5つを挙げています。
・生息地の減少と改変
・餌動物の減少
・種間競合(トラやヒョウ)
・人による虐殺
・イエイヌなどがもたらす伝染病による感染死